上武樹脂鉄道振興会

この先、揺れる事がありますのでお気をつけください。

2022年10月

「“さっぽろ”をやります」- そう1年位前に告げられていたにもかかわらず例によって改造に着手したのはもう第7回プラレールひろばinさっぽろの開催まで2か月を切ったあたり。前回から全く学習していませんねこの人。

とはいえ何も用意せずに4年ぶりの運転会へ行くわけにもいかず、とりあえずSL銀河から改造できるキハ143とキサハ144を作ってみる事にしました。
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実を言えばキハ143は既に1回改造しており、2015年の購入直後に着工して第6回プラレールひろばinさっぽろ直前の2018年10月に完成するという長期計画となっていました。とはいえこの時はシール貼りで対処しており、なんだか物足りなさは否めない出来栄え。しばらくそのまま放置していましたが、プロッター導入により容易に側面パーツをスクラッチできるようになったのでこれを機に再改造する事としたわけです。
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IPAに浸かって塗料を落とした車体からまず側面を切り落としていきます。ここはホビーのことPカッターで大雑把に。
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続いてCADソフトで製図しプロッターでプラ板から切り出した側面パーツが登場、先程切り出した側面を置き換えていきます。
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そろそろお気づきかもしれませんがやっている事は50系客車と全く同じで、なんなら寸法も50系と全く同じ。全部種車のSL銀河から採寸したので当然といえば当然ですが…
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側面を置き換えてからエバーグリーンのプラ棒で雨どいを追加する点も50系と同じです。ディテールアップに加えて継ぎ目を隠せるので一石二鳥。唯一違う点としては乗務員室の隣に縦樋が増設されているのでこれも再現します。

さすがに1通りやった事のある改造なだけに「えっ、もう終わり…?」と思うくらいにはサクッと加工が済んでしまいました。50系の時は継ぎ目の処理でかなり苦戦していた気がしましたが…

このままサフ入れまで進めてもよかったのですが、せっかくならディテールアップにも挑戦したいところ。
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奇しくも砂川さんよりキハ40用スカートのデータを頂いていたので試しに仮止めしてみたら完璧に合ったので即採用となりました。横に映っている車両?それについては追い追い…
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…でサフを吹いてからしばらく放置。理由は至って単純で、他に北海道色にするキハ40とキハ150の加工が終わっていなかったからです。同じ色を一気に塗る方が合理的なのでこのようにしたはずですが、かえて締切直前に急いで塗る羽目になったので…どっちが正解だったのでしょうかね。
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何はともあれ当日までに完成、無事に"さっぽろ7"の札沼線レイアウトでお披露目となりました。今回調色が上手くいったのもありますがやはり凹凸のメリハリがつくとだいぶ変わって見えますね。再改造自体が初めての試みでしたが成功したと自負しています。

翌日の公開初日はそのままレイアウトで活躍すると思いきや…
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実車との対面を果たすために早速外へ連れ出されています。まあこれはつまり作者である自分もプラレールひろばのスタッフを欠席しているという事でもあるのですが。

「北海道の鉄道設備と言えば」というお題に対して普通は「スノーシェッド」や「仮乗降場」といった答えが返ってくるかと思われますが、個人的に欠かせないと思うのが…
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これ、「信号塔」です。信号機を複数設置するための塔で、主に貨物ヤードや側線の多い駅などでよく見かけます。
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ただし必ずしも北海道特有というわけではなく、例えば山陰本線の益田駅にもこのように設置されているのですが、どうしても非電化の幹線が多い北海道のイメージが強くなりがちです。というわけで今回「第7回プラレールひろばinさっぽろ」へ参加するにあたり何個かプラレールサイズで作ってみる事にしました。
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まずは三複線と複々線用の塔を作るために余計な箇所をニッパーで切り取り…
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瞬間接着剤で貼り合わせます。こんな雑な改造でいいのかよ、と思われるかもしれませんが……
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なんとポプラ社から刊行された「プラレール大百科1999-2000」にこの方法で架線柱を改造している例があるのです。当時はなんでこの架線柱こんなに長いしグレーなんだろ、と疑問に思っていましたが、接着してサーフェイサーを吹いたと考えれば納得のような……
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続いて肝心となる信号機本体を作っていきます。実物を参考にしつつCADで図面を引き、プロッターで0.5mmプラ板から切り出し。
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とりあえず仮止めしてみた時の図。この時点でもう割といい感じに見えてきました。
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この要領で同じものを大量生産していきます。ただこのままだとネックになりそうなのはライトレンズになりそうなので……
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ダイソーのカラーセロハン(透明ちよがみ)と
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このように四角く開けた信号機のパーツを用意し
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間にカラーセロハンを挟み込む形でライトレンズを再現していきます。プラレールの信号機も初期はカラーフィルムを使っていたそうなので一応製品リスペクトという事に。
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こうして組みあがった信号機を段ボールに両面テープで貼り付けて
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一気に塗装します。塗料はMr.カラーのセミグロスブラック(品番92)を使ったはずですが、うすめ液が多めだった事もあって普通のブラック(品番2)と大差ないような……
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…で間にカラーセロハンを挟みつつ組み立てていきます。赤だけピンクとオレンジのセロハンを重ねないといけないのでここだけ若干手間がかかりますがなかなかいい感じの色合い。
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こうしていとも簡単に量産される信号機。さすがに全部で2日ほどかかりましたが12個もできたので結果は良好です。
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あとは最初に作った塔に信号機を接着だけで完成です。製品の信号機と並べるとかなり小ぶりですが実物のサイズを考えるとちょうどいい感じに。

…で予定通りプラレールひろばinさっぽろでレイアウトに配置され
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複々線用は旭川運転所で
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複線用は常紋信号場などで使用されていました。
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ちなみに常紋信号場にある実物はこちら。まさか過去に撮影した前面展望映像がここで役に立つとは…

プラレールを改造するきっかけとして「乗った事のある車両」を挙げる人は多いと思いますが、では「運転した事のある車両」がきっかけとなる場合はどうでしょうか。鉄道会社に勤めていれば可能性はありそうですが、そうではない人でも「運転体験」に参加するという選択肢があります。
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という事で今回は約1年前にふるさと銀河線りくべつ鉄道で運転体験をしてきた、このCR75形をプラレールで再現していきたいと思います。なお先にNゲージで制作していたので立体化するのは今回が2回目。
例によって種車になりそうな車両が無いのでとりあえずE231系の先頭車を用意し…
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この通り容赦なく80番の紙やすりで屋根上のモールドを全て削り落とします。クーラーも例によってすべて撤去し1.2mmプラ板で埋める方向へ。
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側面も全て撤去したので「それE231系使う必要あるの?」と言われてしまいそうですが、フルスクラッチするにしても屋根まで作るのは簡単ではないのでこれが一番楽になってしまうのです。HOゲージのフルスクラッチでも屋根だけは市販パーツを使う例が多いですし。

 そこへお絵描きCADで起こした図面をプロッターに読み込ませ…
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こんな感じの側面パーツを切り出し…
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ほぼ屋根だけの種車に取り付けます。同時に顔も取り付けて箱型にはしましたが、この段階ではプラ板とwaveの1/4丸棒を組み合わせたのみでほぼのっぺらぼう。
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なお実写へ近づけようとした結果ドアステップの幅はわずか0.5mm。案の定半分が切り出し中に折れてしまいました。
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屋根の幅が若干足りないのでプラ棒で嵩増し。かなり雑ですがこの後で形を整えるので無問題です。

とはいえここまではプロッター製のフルスクラッチではおなじみの製法。1つだけ工夫を加えてみました。
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この通りモールドを彫り込んだ顔パーツを0.2mmのプラ板で作り…
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さっきののっぺらぼうにくるっと巻き付けて前面と妻面を完成させます。根気よく流し込みタイプの接着剤を使えば案外きれいにくっつきますし、簡単に半流線形を再現できるのでおススメです。
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ここでもう1両同じものが登場。ただしこちらは貫通扉の部分が全部へこんでいます。
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その正体は貫通扉が開いている状態のCR75でした。非冷房車なため涼しい北海道とはいえ夏はかなり車内が暑く、運転体験でも開けている事が多いようです。
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表面処理の途中でスカートが追加されました。元々は砂川さんからキハ40用として頂いたデータに手直しを加えたものですが、まさかこんなところで活躍するとは……
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だいたい形になってきたので雨どいを追加。もはや完成目前のような気分になっていますが、ここで捨てサフを吹くと……
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見てくださいこの大量の修正箇所。2週間程度かけながら徐々に表面処理を進めていきます。
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これが表面処理完了後の姿。ようやく残っていたホイッスルカバーがこの時に取り付けられました。この後に再度サフを入れてから塗装に入りましたが、あまりに切羽詰まっていたので写真はなし。そもそも2か月前から改造していたのになんでそんなギリギリなんですかね…
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…で塗装が終わったので完成かと思いきやそこに瓶サフを塗る暴挙へ。もちろん理由はあり…
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この通り実車がパテを盛った状態で運転体験に使われていたからです。ついでに貫通扉が開いているのもこの写真が証拠となりましたね。
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…で無事に完成した姿がこちらになります。帯の塗装が満足いく出来とはなりませんでしたがひとまず自分が運転した車両を改造できたので目標は1つ達成できたといえるでしょう。この後第7回プラレールひろばinさっぽろの池北線レイアウトでデビューを果たします。

そういえば途中までいた貫通扉のある通常仕様はどこへ行ったかって?まあそれはちょっと塗装工程で更に色々とありましてね……気が向いたら修復したいところです。

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