上武樹脂鉄道振興会

この先、揺れる事がありますのでお気をつけください。

2022年03月

以前取り上げたタウルスに牽かせるべく客車も同時に製作していたのですが、実は着工は客車の方が数年早かったりします。今回はそれに関する記事です。

初めに"ユーロフィマ"とは何かについて簡単に触れるとスイスに本社を構える鉄道車両専門の金融機関で、車両製造に直接は関わらないものの、各国の鉄道会社がここから融資を受けて標準設計の客車を新造した事から転じて"ユーロフィマ客車"の愛称がついたと言われています。
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例に挙げたのはイタリア鉄道(Trenitalia)とスイス国鉄(SBB)の客車ですが、この通り国が違っていても大部分は共通設計のため外観が非常に似ています。言い換えれば1つプラレール用の図面を用意すれば様々な国の客車を作れるためとても効率が良いのです。

という事で兼ねて(実は15年前くらい)よりこの客車がプラレールで欲しかったのですが、種車が決まらない事により全く進まず。
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一応近い車両としてきかんしゃトーマスシリーズの急行客車(通称"ゴー客")ならあるのですが、こちらはイギリス国鉄の車両限界に合わせて絞りがあるので側面がだいぶ異なります。結局行きついた結論というのが……
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せや、側面は全部切り落としたろ!!
このようにして屋根と妻面だけになったゴー客が生まれました。
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また屋根も不要なモールドがあるのでこれを削ってしまえば準備は万端です。あとはプラ板で側面をスクラッチして貼りつければよいので一瞬で製作が捗…

……りませんでした。一応図面は作り始めていたものの窓のRやルーバーが多い事から手で切り出せる自信がなく、特に解決策を見出せる事も無く再びお蔵入りへ。この間に2回ヨーロッパ遠征を行い実車の調査に成功したので「作者取材のため」を言い訳にしておきましょう。
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次に動き出したのは3年後となる2020年、ちょうどプロッターを導入する改造プラレーラーが増えたのに合わせてシルエットカメオを買ってしまった事がきっかけとなります。「これでいよいよ作れるのでは」と書きかけの図面を完成させ、プロッターに読み込ませると……
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なんという事でしょう、3年間放置していた客車が一気に組みあがるではありませんか。しかも窓をくり抜いてバリ取りを行ったらあとは車体に接着するだけなので、慣れれば1両30分程度で加工できるという驚異的な速さ。
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またゴー客には無い貫通扉も必要となるため同じくプラ板を切り出して組み立てます。もはやペーパークラフトを組むかのような感覚ですね。
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こうしてGW中に5,6両ほどここまで仕上げた段階で…また放置される事に。このお方は放置する趣味がおありなのでしょうか。

ところが更に1年が経過した頃、第7回鉄道模型広場が開催されるという事で府中市の姉妹都市であるウィーンの鉄道が必要になり、いよいよ数年間寝かせていたこの客車たちに白羽の矢が。加えて先に機関車へ着手していたのでもう作らない理由は全くありません。
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再開とはいえ箱状になっている以上もう表面処理へ進める段階に。ここで放置車両を完成させる方向へ進めればよかったものの、「まだ種車と時間があるし…」と倍増させる選択を取ってしまったのが運の尽き。
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同時並行で制作していたタウルスと並べて自己満足に陥・・・もとい編成イメージを掴んでいた時の図。3両目はRailjet用の客車となりますが、こちらは現時点で未完の状態。
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屋根にはビードがあるのでこれも切り出したパーツで再現。マスキングテープで仮止めしてから流し込み接着剤で固定すれば一瞬で仕上がるので効率化万々歳です。これがなかったらまだ完成してなかった疑惑すらあり

この辺りで一旦区切りたいと思います。

次回につづく

前回車体の塗装まで進みましたが実は鉄道模型広場まであと数日というかなり切羽詰まった状況に。客車も含めると計16両も同時に改造していたのでかなり無茶していた事がわかります。
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いよいよ迎えた大詰め、屋根や窓に色を差していきます。さりげなくこの段階で"ÖBB"のロゴも入っていますが、これはプロッターで切り出したマスキングテープを貼った上から塗装する方式をとりました。上手くいったもののマスキングテープの採寸ミスでロゴの位置がずれる結果に…まあ気にしない事としましょうか。

なお他の2両はそれぞれ別の塗装にしていたものの、前述の通りかなり切羽詰まっていたためか写真が1枚もなし。いつもの事ではありますが

とはいえ無事に完成させて会場へ持ち込む事ができましたのでご覧頂きましょう。
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まず先程の赤べここと
ÖBB塗装がこちら。前述の通り実車は旅客と貨物の両方で使用されますが、この時はインターシティー(特急)を牽引していました。なお2両作ったものの形態差は全くありません。
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ES64U2(1116形)の写真が出てこなかったので
ES64U4(1216形)で代用しますが、だいたいこのような編成で走っています。オーストリアの優等列車ではごく一般的な姿ですね。

さて途中経過すら記録が残っていないあとの2機についてですが…
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まず1両目がこの真っ黒なMRCE塗装。鉄道事業者ではなくリース企業に所属する機関車で、その特性を活かして貨客両用で活躍していますなお社名のMRCEとはMitsui Rail Capital Europeの略で、その名の通り三井物産系の日本企業というのだから驚き。
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これが実車で、2012年当時はドイツのハンブルクとベルヒテスガーデンを結ぶIC2082/2083"ケーニッヒスゼー(Königssee)"で旅客列車に充当されていました。もともとこの列車を再現することが目標であったためペアとなる客車もドイツ鉄道仕様としています。

あれ、この列車もしかしてオーストリアとは関係がない……?
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最後の1両はウィーン地方鉄道 (Wiener Lokalbahnen)塗装で、本業はその名の通りウィーン近郊の私鉄ながら貨物事業も行っており、普通に近隣国にも乗り入れています。果たして本業と副業で運用距離に何倍の差があるのでしょうか……
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ここにある実車写真も乗り入れ先であるドイツで撮影したもので、当時貨物事業の存在を知らなかったので「なんでこんなところで…?」と呆然としながらシャッターを切った記憶があります。

今回はドイツとオーストリアの事業者から選んで制作しましたがこれ以外にも各種専用塗装・ラッピング塗装が存在したり、ハンガリーなど他の国でも運用されているためバリエーションはまだまだあります。それらにまで手を出す日は…今後来るのでしょうかね……

"タウルス" - 海外の鉄道に触れていない方でも名前だけ聞いた事があるかもしれませんが、ドイツ・シーメンス社が製造する電気機関車「ユーロスプリンター」の内、2電源対応のES64U2形と4電源対応の ES64U4形に付けられた愛称です。
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これらは特にオーストリア鉄道(ÖBB)で多く採用され、旅客と貨物の双方で幅広く活躍しているためオーストリアの鉄道を再現するには欠かせない形式となっています。そしてこの"オーストリアの鉄道"が必要となってくるのが…そうです、鉄道模型広場inルミエールです。

という事で昨年10月の回に間に合わせるべく、空転さんの依頼を受けて
2電源対応となるES64U2形の3Dプリント品(を複製したもの)を頂いて仕上げる事に。当初の計画はRailjetのはずでしたがどこに行ったのでしょうかね…

もう形になっているし秒だろ!!!」と高を括っていたものの……
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3Dプリント特有の積層痕という課題に直面してしまい、これを解消しないには完成させられないという事に。それでは早速取りかかっていきましょう。
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まず表面を大雑把に紙やすりで削り、出っ張っている箇所を減らしていきます。独特の匂いが漂ってきますがレジンに含まれる溶剤の香りなので決して健康的ではありません。
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ここからは逆に凹んでいる箇所を埋めて均しての繰り返しとなります。今回は主にタミヤのびん入りサーフェイサー(通称"瓶サフ")を使用しましたが、大きな凹みであればウェーブの黒い瞬間接着剤(通称"黒瞬着")の方が有効であると気づいたのは表面処理が大詰めの頃…
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この作業を幾度となく繰り返した結果がこちら。なんと4機作していました。ところどころ白くなっているのは一旦プライマーサーフェイサーを吹いていたためですが、ここまで来ると旧車のレストア風景と大差ないように見えるのは自分だけでしょうか…
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この後更に細かい段差を消して再度サフを入れた姿がこちら(手前)。いよいよ最初にあった段差も目立たなくなりましたね。
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表面を更に仕上げるために水研ぎを行い……
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ÖBB塗装については艶出しのためにシャインレッド(Mr.カラー品番79)を薄く重ね塗り。おかげさまでテカテカの赤に染まったものの、これではもはや赤べこにしか見えませんね。まあタウルスはラテン語で"牡牛"という意味なので間違ってはいないですが。

次回へ続く

前回以降途絶えていたのでいよいよ新メカ化に飽きた…かのように見せかけて今頃の新作です。
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元はと言えばフォロワーのけーきさんが100系新幹線を先に新メカ化しており、ならば「同じ金型の東北上越新幹線も新メカ化するべきではないか」という事で始めた改造です。何ならライト付き新メカとテコロジープラレールで前後共にライト付きにするアイデアも完全にオマージュ。いや別に新メカ化は義務ではないですが…
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という訳でいつも通りシャーシをくり抜いて外枠だけにします。例によって1両途中で折れてしまったのでこれを接着する羽目に。
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ほぼ表面が整った姿がこちら。今回は先頭後尾で2両分必要になるので作業量も2倍です。
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続いて先頭車の方にはスイッチ穴を空けていきますが、普段は3mmのドリルを使うところちょうど中心点がクーラーの縁と重なってしまったので一旦クーラー上を2mmのドリルで空けてからヤスリで広げていく事に。これはスイッチがクーラーの中に埋もれてしまう予感が……

さて今回は先頭車も後尾車もライト付きにするわけですが、特に車体へ何も手を加えなかった場合……
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なんとこんなに光が漏れてしまいます。
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よってライトケース以外を遮光する必要が生じますが、今回はMr.カラーのブラック(品番2)で裏側を塗ってしまいます。アルミホイルで裏側を覆う方法が一般的のようですが、今回はたまたま使いかけの塗料が出てきたという理由なので…

ネジ用の台座はプラ板で作ったスペーサーにナットを接着するという超絶手抜き工法ですが、瞬間接着剤でガチガチに固めておけばよほどの事が無い限り取れる事はありません。なおネジ位置は新メカもテコロジーも同じなので共通です。しかしスペーサーの切り出し雑すぎるだろ……
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先頭車は製品そのままで使用できますが、後尾車はライトユニットを固定する必要があったので0.5mmのプラ板で延長し、2mmのプラ棒で基盤を挟み込む形をとりました。いずれも素材は失敗作からの流用品なので再生可能エネルギーなのかもしれません(?)
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上方向に光が漏れないようにビニールテープで気休め程度に遮光しました。気休めなので完全には遮光できていませんが……まあいいでしょう。
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というわけで東北上越新幹線の新メカ化が完成しました。元の製品がライトなしなのでグレードアップもできて一石二鳥。
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案の定スイッチがクーラーの中に埋もれてしまっていますが、フラノエクスプレスと同様に実用上はさほど問題ないので気にしません。

一応手元に新メカシャーシのストックはまだ残っていますが次回作はあるのでしょうか。また1年以上ブランクが空かなければよいのですが。

かなりボリュームのあった前回とは打って変わり2日目は少し減ります。理由は簡単で、写真を十分に撮っていなかったからです。ええ、全く誇らしげに言う事ではないですね。

前日と同様、朝食のために寄り道してから会場入りする事となりましたが、2日連続の自販機ドライブインとはならず行先を変える事に。
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それがここ、セイコーマートです。「いや北海道のコンビニじゃん…」などとツッコミが入りそうですが、埼玉県に9店舗、茨城県に84店舗*を構えているので一応北関東のレギュレーションは守れている…のではないでしょうか。
*株式会社セコマ公式サイト内"会社概要"(https://secoma.co.jp/aboutus/company.html)による
 ただし3月にエアポート茨城店が開業したため、茨城県では
会社概要の最終更新時より1店舗増加

ついでに昼食も購入して会場へ。10時半頃に着いたのでまだ余裕があります。

この日も変わらず11時から公開開始となりましたが、日曜日なだけあって初日以上のお客さんが来場し一部を除きスタッフはすぐ控室へ。というのも情勢の都合で会場内で人数制限をかける必要があり、お客さんが増えるとスタッフも人数調整する必要が生じていたのです。

そしてスタッフの人数が限られる中、引き続きある設備のセッティング作業が続けられました。北本でんしゃ広場では初の試みです。
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1時間後、会場に姿を現したのは2台のビデオカメラによる定点カメラでした。普段運転会の映像記録用に使われるまっつーさんの業務用ビデオカメラにこんな使い方があったとは…他のプラレール運転会でも活躍が期待されます。
蛇足ですが投映しているプロジェクターは自分の所有物で、ビデオ上映などで案外活躍しています。
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定点カメラの作業が終わる頃には昼時に差しかかっていたので控室へ戻って昼食を。ガンガン食べよう毎日食べよう。

午後は半分…もしくはそれ以上控室で待機していたのであまり写真も無いですがまだ紹介しきれていなかった箇所をいくつか。
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トミカタウンの市街地、実は外周を併用軌道も走っていました。車両は六郷線さんの上毛電鉄300形なのでまさに北関東の車両ですが……中央前橋駅から前橋駅まで併用軌道で延伸でもしたんでしょうかね(適当)
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先程のトミカタウンンの隣には何やら物々しい施設が建っていましたが、これは富士重工業宇都宮製作所と伊勢崎製作所を模した工場だそうで、製造しているのが鉄道車両とバスなので言われてみれば確かに…… 車両製造メーカーをレイアウトに組み込む例は珍しく、またこれなら富士重製の車両なら全て"栃木県の車両"と呼ぶ事ができるので非常に良いアイデアだと思いました。
トミカのバスが三菱エアロスターなのはツッコんではいけない
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いつの間にか留置線には宇都宮・高崎線系統の車両が集結していました。「やっぱりいつもの"きたもと"じゃないか!」とツッコみたくなりそうでしたが、まあ北関東への玄関口である事に変わりはないのでOKでしょう。一応寝台特急あけぼのの牽引機として我が家のEF81も参加しています。というより適合する車両が無さすぎてこれくらいしか出番がありませんでしたが…。

といった感じで無事に2日目も16時の公開終了を迎えることができ、1時間ほど再度撮影タイムを設けた後に2時間ほどで撤収完了と相成りました。人海戦術によるレイアウト撤去→レール収納の模様こそ見所なのですが、さすがにお客さんにはお見せできないのがつらいところ。
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前回から8カ月ぶりの開催という事になりましたが、この情勢下でもお客さんからはかなり好評の声を頂いていたとの事で、次回開催の日が来るのが既に待ち遠しいくらいです。主催の砂川さんを始めとしたスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

・・・というところで締めくくる事ができればよかったのですがまだ続きがあります。

撤収作業が概ね終わったあたりから家まで遠い順に徐々に会場を離脱していき、最後に残ったスタッフ達(主に地元周辺)で近くのラーメン屋に行こうという話になったのですが…

「あれ、なんでここにいるの!?」

そうです、先発組の一部が先客としてその店にいたのでした。
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というわけで撤収後の夕食に頂いたのがこの東京とんこつ とんとらとんとらこってり正油らーめん。東京都に出店していないのに"東京とんこつ"の店だそうですがコスパが抜群なので北本でんしゃ広場ではおなじみの店になりつつあります。ここも"推薦店"の1つに加えましょうかね……

なお2kmほど離れた焼肉屋にも別の遠征勢がいたとの事で、結局ほとんどのスタッフが会場周辺で夕食をとっていたというオチでありました。

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