上武樹脂鉄道振興会

この先、揺れる事がありますのでお気をつけください。

2021年04月

前回の後、予定通りシリコン型を製作してレジンからパンタグラフを複製し、屋根上機器も予定通りにプロッターで切り出して組み立てました。写真を撮り忘れたのはまあいつも通りです。
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とりあえず全てを仮置きした時の図。パンタ同士の間隔が広がった事で若干長く見えるようになったような気もします。なおこの段階でモニターのみ車体へ接着し、他は塗装後に接着する事としました。マスキングの手間を省こうとした結果です。

続いて製品では印刷表現になっているナンバープレートと飾り帯を0.3mmのプラ板で立体化していきますが……
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ここでなぜかさっきまでいなかったトワイライトエクスプレス色のEF81が出てきます。1両だけ作る予定でしたが途中でもう1両欲しくなってつい……
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カシオペア色の方にも同じ加工を。またテールライトはコトブキヤの「丸モールドII」から3.5mmのものを取り付けました。製品と改めて並べてみましたがだいぶ印象が変わってきましたね。

トワイライト色の方はここで加工が終了ですが、カシオペア色の方は……
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ヒサシつきの車両にするべく1.2mmのプラ板を窓の上に貼り付けます。大きめに切り出してからニッパーやヤスリで整えていき……
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これくらいの大きさに仕上げました。比較用に置いてあるのはTOMIXの長岡運転所仕様のEF81(品番2198)ですが、主張しすぎない程よいサイズになったのではないでしょうか。

これで2両とも車体加工が終わったので表面処理の段階に。前回書いた通り屋根が想像以上にデコボコだったので瓶サフを塗りながら直していきます。
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確か2回目のサフ吹きの後に撮ったと思います。後ろに同じく表面処理中の50系が見えますね。いい感じになってきたので最後に水研ぎで仕上げて塗装へ入ります。
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まずヒサシつきの方はMr.カラーのあずき色(品番81)がちょうど赤2号と合うのでこれで一気に塗ります。艶が出るようにうすめ液をやや多めに混ぜて重ね塗りしましたが……残念ながら写真だとあまり目立ちませんね。
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ヒサシなしの方はJR貨物の更新機にするべく一旦Mr.カラーのグランプリホワイト(品番69)を吹き、裾に1mmのマスキングテープを貼ってからガイアカラーのローズピンク(品番1009)+Mr.カラーのホワイト(品番1)を吹きます。ローズピンクのままだとやや暗めだったので調色して正解でした。

屋根はいずれもMr.カラーのブラック(品番2)で塗装しています。セミグロスブラックと迷いましたが個人的に艶が出ている方が好みなのでこちらを選択。
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みんな大好きめくりの儀。マスキングする時に爪楊枝でかなり強めに押さえておいたので無事に吹きこぼれは回避。

後付けのパンタグラフと主電動機カバーはMr.カラーのシルバー(品番8)で塗装してから瞬間接着剤で取り付け、最後にHゴム(ガンダムマーカー・ブラック)と飾り帯・窓サッシ(三菱ペイントマーカー・銀)に色差しして完成です。
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EF81で試してみたかった事をほぼ詰め込むことができたので我ながらリアル化は成功だったと思います。特にごちゃごちゃした屋根上がパーイチらしさなので、ここに手を加えられたのが大きかったですね。ヒサシつきの方は塗膜が薄すぎて1日走らせただけでもう剥れ始めてますが

なおナンバーはヒサシつきが青森車両センター所属の136号機、貨物更新色は富山機関区所属時代の404号機を選択しました。理由は非常に単純で、
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(2010/11/12 東北本線 白岡-新白岡)
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(2011/10/27 信越本線 岩塚-塚山)

…と両方とも撮影した事があるからなんですよね。当時も一応プラレールは続けていましたが、ようやく塗装変更に挑戦していた頃だったので10年前の課題をやっと終わらせられた心境です。

今回は色々と新しい手法を取り入れてみましたが、特にPS22はEF66等にも応用が効く事から今後様々な国鉄機への取り付けが期待できそうですね。残念ながらシリコン型も制作者もボロボロなのでしばらく後になりそうですが。

前回の記事で実車考察をしたのでいよいよ加工を始めていきます。
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最初にパンタグラフを撤去し、屋根上機器カバーもニッパー等で切除していきます。手前に謎の物体を被されたEF65-1000がありますが、まだこの時は"おゆまる"でパンタグラフを型取りしてポリパテか何かで複製する予定でいました。

話が前後してしまいましたが、載せ替えるパンタグラフは実車通りのPS22である事とサイズ感の良さからこのEF65-1000のものを使用する事に決定。同時に「これが上手くいけば他の機関車に応用できるかもしれない」と考えていましたが、成功した割にはまだ次回作の案すらありません。どうしてでしょうか。
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続いて空けた穴はプラ板で大雑把に塞ぎ、残る隙間を瞬間接着剤で埋めていきます。乾いたら紙やすりで形を整えていきますが、ここが長くとても地道な工程に。
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なおパンタグラフは結局種車のままでは複製が難しいとの判断に至り、「自動車運搬列車」のEF65から思い切って切り出す事としました。今でこそ通常製品でPFが手に入るようになりましたが、セット品でしか手に入らなかった一昔前では考える事すらできませんでしたね。ほぼ切り出したままで仮置きしただけでかなり満足していたのはいつも通りの話。
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屋根の方はだいたい削れてきたので一旦中断とし、前面の通風孔とテールライトを削ります。ここも前回で取り上げた変更点でした。屋根は後にサーフェイサーを吹く段階で泣きを見る事になりますが

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一方で切り出したパンタは更に形を整えて油粘土の型に沈め、シリコンを流し込む準備をします。小さいパーツながら角が多いため湯口がかなり複雑になってしまいました。

パンタグラフと同時に重要な屋根上機器もこの段階で設計を。いつも通りプロッターで切り出す前提です。
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パーツはモニター(左)と主抵抗器カバー(右)の2種類で、前者は単純に4枚重ね合わせる方式、後者はペーパークラフトのように折り曲げて組み立てる方式をそれぞれ取りました。パンタグラフを小さめなPS22へ交換した事により屋根上のスペースが広がったため、このサイズを実現する事ができています。

長くなりそうなのでここで一旦区切ります。

次回へ続く

久しぶりに製品の話です。

昨日、先週から大宮駅で開催されているトミカ・プラレールショップの出張販売へ行ってきました。イベント記念商品も全て取り扱っていたのですが、その中から

①名鉄パノラマスーパー
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②ブルートレインはやぶさ
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③丸の内線500形
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の3本を選んできました。

で、なぜ今更になってこの辺りを買いに行ったかと言いますと……
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いつの間にかタカラトミーロゴの下に「対象年齢3才以上」のマークが追加されていたからなのです。プラレール資料館に掲載されているパッケージ写真を見るとわかるのですが、いずれも当初はこのマークが無かったので後から追加されたという事になります。同時にこれらが少なくとも1回は増産されているという事にも……

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箱の裏にロット記号が書いてあるので見てみたところいずれも2019年製で、500形のみ月記号がF(6月)で他の2つがK(11月)となっていました。2019年8月にプラレール博 in SAPPORO、2020年1月にプラレール博 in OSAKAが開催されていたので、それぞれプラレール博に合わせて製造したと考えられます。

以前にも本ブログで9代目箱の変遷について取り上げた事がありましたが、まさか限定品にもこのような小変化があったとは…… 世代だけでは分類できない箱の形態がこれだけ出るとは、なかなか沼の深い趣味のようですね。

そういえばパノラマスーパーは2001年からプラレール博限定品[1]に名を連ねているので今年で20年目で、その上通常品として販売されていたのが1989年から1993年のたった4年間[2]なので復刻版の方が5倍近い期間販売されていることになります。実車も更新工事で全車塗装が変わりましたし、一体いつまで作り続けるんですかね……

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あと余談として5000円以上買うと貰えるレジャーシートもゲットしてきたのですが……

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なんと説明書きのところに"K19"とロット記号が書かれていました。月記号がパノスパとブルトレと同じK(11月)だったのでこれも大阪のプラレール博に合わせたものでしょうか。

【参考文献】
[1] [2]『プラレール大全』 いなかのえき、2019年

※今回は実車考察がメインとなります プラレールはほとんど登場しませんので予めご了承ください

先日twitterで完成発表をしたこちらのEF81ですが、
実は6年前にも一度改造した事があったので制作するのは今回で2回目という事になります
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まだ塗装は全て筆塗り、車体加工は前面回りのみといった状態だったので、改めて作るにあたってよりリアルに仕上げるべくまず実車の調査から始めていました。今回はその記事となります。

その前にまず種車を。使用するのは「カシオペア」のEF81です。
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近年はこのカシオペアを筆頭にほぼEF81として発売されていましたが、初出は「ブルートレイン」なので本来はEF65形500番台(以下EF65-500)として設計されたものになります。なので実車のEF65とEF81を比べてどれだけ差があるかを見ていきましょう。

①パンタグラフの形式
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EF65-500はPS16という菱形パンタグラフ(写真上)を搭載していたのに対して、EF81はPS22という小型な下枠交差型パンタグラフ(写真下)を装備しています。当然プラレールもEF65-500がモデルなのでPS17がベースになっているという解釈でよいでしょうし、パンタをPS22に交換する事でEF81らしさを強調する事ができそうです。

なお同じ非貫通のEF65-0にはPS22搭載車がいましたが、民営化後の話みたいなのでブルートレインが発売された(1979年)より後になります。

②パンタグラフの位置
ちょうどここに同じ撮影地(武蔵野線・新秋津-東所沢)で撮ったEF81とEF65-1000の写真があるので比べてみましょう。なおEF65-1000は後期型なのでパンタグラフは同じPS22です。
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(いずれも2010/11/12撮影)

全長が異なる(EF65:16m EF81:18m)ため一概に比較はできませんが、EF81の方が長いにもかかわらずパンタが車端寄りに設置されている点に気づきます。屋根上に交流区間で必要な高圧機器類を設置するスペースを確保するためでしょうか。
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追加でEF81を側面から撮った写真も。これを見るとパンタ同士の間には機器類が敷き詰められており、空きスペースはほとんどありませんね。
(2016/6/11 東北本線 東大宮-蓮田)

③側面のルーバー配置
↑でEF81の側面を出したのでせっかくならここもEF65と比較してみましょう。
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(2011/3/2 高崎線 倉賀野)

EF65の場合は側面中央でルーバーが途切れるので、逆にルーバーが連続しているEF81の方がプラレールに近い印象を受けます。ここは特に手を加える必要はなさそうですね。

これらを考慮した結果、加工メニューとしては

①既存のパンタ・屋根上機器を撤去
②PS17タイプのパンタからPS22タイプのパンタへ変更
③パンタの取り付け位置も車端部寄りに変更
④パンタ間に自作した屋根上機器を設置

の順で行う事に決めました。目新しい点としてはパンタグラフも交換するという事で、知る限り過去の作例ではあまり見られない加工点と思われます。

これ以外にも
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EF65-500は前面に通風孔があり、テールライトが「内はめ」と呼ばれる運転席側から電球を入れるタイプであるのに対して
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今回制作したEF81後期型では通風孔が無い上にテールライトも「外はめ」と呼ばれる外側から電球を入れるタイプとなっているため、テールライトの交換も必要な改造項目となります。もっとも、ここは6年前に制作した際も再現していましたが。
(EF81も初期型ではEF65-500と同じ形態)

予告通り全く工作の話が出てこない記事になってしまいましたが、実車を考察する事で発見できる加工点もある、という事を強調したかっただけなので……

次回へつづく

誰も知らないような珍車か旧製品に新メカを入れるかの二択だった人がまともな車両を作ろうと思い立ったのは約2カ月前、手元にあったSL銀河の中間車3両をどう活用するか考えていた時でした。先頭車と後尾車はキハ141系列に改造できますが、中間車(キサハ144)が実車に対して多いので余ってしまうんですよね。

その時にtwitterのフォロワーであるやはさんがSL銀河から50系51形を製作されていた事を思い出し、同様の工法で本州用の50系50形を作れないか検討を始めました。ありがたくもご本人から承諾を頂けましたので「公認のパクり」という事になります。

結果、オハフ50を2両とオハ50を1両の編成にする事が決まったので早速作業開始。
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とりあえず屋根の"非冷房化"から取り掛かっていきます。クーラーとランボードを取り外し、空いたスペースはプラ板と瞬間接着剤で埋めていきましょう。

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続いて側面を置き換えるべく図面を引き始めます。この時点でもう屋根と妻面しか残らない事が確定。
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図面が完成したらプロッターに読み込ませてプラ板に切り込みを入れます。もちろん精度はフリーハンドの時より格段と上がりますが、カッターナイフ等でなぞって切り出す作業は残る事に。
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側面の厚さは0.5mmが3層の計1.5mmとしましたが、外側1層と内側2層に分けて切り出しやパーツの取り付けを行い、最後に両者を貼り合わせる方法を取りました。ユニット窓も同じ0.5mmですが別に厚すぎるわけではなくいい感じに。

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側面が出来上がったら種車の側面をノコギリ等で切り取り、スクラッチした側面で置き換えます。もうこれでいいんじゃないか、と一瞬満足するも完成はまだ先の話。

次に取りかかった妻面は時間と素材の都合でオハフの片側ずつのみの加工とし、3両編成の時に両端が揃うようにしました。ここもパクりオマージュだったりするのですが。
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貫通扉はブルートレインの中間車(オハネフ25)から移植して、妻窓はCADで起こしたテンプレートをシール用紙に印刷し、これに合わせてピンバイスで空けてからヤスリで整えていきます。もはやフリーハンドでは作業ができない身となってしまいましたね
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屋根の作業へ戻り、冷房を撤去した跡にはベンチレーターを載せていきます。種車のベンチレーターをおゆまるで型取りして複製したものを使用しましたが、材質が①エポキシパテ ②ポリパテ ③UVレジンの計3種類に。こんなところで材質の耐久試験をしなくてもいいんじゃないですかね……

その後表面処理を施して1回サーフェイサーを吹き付けます。(写真はありませんが)かなりボコボコになりました。
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泣きながら瓶サフで隙間や凹みを直していきます。塗りすぎると一気に乾きが遅くなるのに焦って塗りすぎてしまい再度泣きを見る結果に。

修正を済ませたらもう1度サーフェイサーを吹き付け、更に水研ぎした後で塗装へ入ります。車体はMr.カラーのあずき色(品番81)、屋根はMr.カラー城の(同CK1)をそれぞれ使用しました。
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特に調色していませんがいい感じになったのではないでしょうか。

最後に窓サッシに三菱ペイントマーカーの銀で、テールライトにタミヤカラーのクリアレッド(品番X-27)で色差しして完成です。
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なかなか雰囲気は出せたのではないかと思います。ただ車体が赤一色なので色差ししたテールライトが写真だと全く目立たないのがつらいところ。

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既製品ですがDD51と連結してみました。機関車を選ばない上に幅広い地域で使えるのがこの車両のメリットですよね。

せっかく汎用性の高い車両を作れたのでどこかで走らせたいところなのですが……今年こそは機会が来るのでしょうかね……。

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